今話題の「仮想通貨」を知ろうvol.2 メリット・デメリット

5回に渡ってお届けする「仮想通貨を知ろう」の第2弾。

1回目でも少しお話しましたが、今回はメリットとデメリットについて。FP(ファイナンシャルプランナー)の加藤仁美さんが解説します。


この1カ月で価値は2倍に

上下を繰り返しながらも仮想通貨「ビットコイン」の価値には約2倍になるまで上昇(7月16日21:00頃、1ビットコイン=217,823円。8月15日9:00頃1ビットコイン=479,797円 bitFlye.jpサイト参照)。「イーサリアム」も1.5倍近くの価値に上昇しています。

8月からは、丸井グループの「新宿マルイ アネックス」店でビットコイン決済の試験導入が始まりました。期間は同年10月末までの約3カ月、「bitFlyerウォレット」(スマホアプリ)での決済のみと限定的ではありますが、利用拡大へまた一歩踏み出した施設の動きもありました。

皆さんの周りで「ビットコイン」や「仮想通貨」という単語を聞く機会が日に日に増えてきていませんか。だからこそきちんと知っておきたいメリットとデメリット。まずはメリットから解説します。

 

メリット1. 国境がない通貨

仮想通貨は法定通貨(ドル・日本円、ユーロなど)ではありません。ビットコインやイーサリアムのように多国で取り引きされている仮想通貨には国境がないので、取引相手が仮想通貨を受け取ってくれる限り両替のことを考えずに利用することができます。

 

メリット2. 送金が早く手数料は格安
(※ビットコインの場合)

週末・祝日・時間に関係なく送金が可能。国際送金でも最長1時間程度で完了します。(取引所が一時的に機能停止を実施する場合を除く)手数料は概ね一律で数円程度。

 

メリット3. 直接取引できる

ブロックチェーン(全ての取引履歴を記録したインターネット上の台帳)技術が登場したことで、買い手と売り手が直接取引し、合意を得ることができるようになりました。海外と取引がある人が仮想通貨を使ってやり取りすることで、手間と時間、手数料の分もコストカットできるはずです。

「ブロックチェーンを応用した技術が普及すると世の中の動きが変わってしまうかもしれません」と加藤さんは将来の可能性についても示唆。「例えば株式売買。現在は証券会社を通して、証券取引所で株を買い、株の保管・管理は証券保管振替機構(通称・ほふり)が行います。ブロックチェーンが普及して自分で管理できれば、〈ほふり〉は必要なくなる可能性が。また、投票結果をブロックチェーン上に残すことができる国民投票のシステムを構築することで不正のない選挙結果が短時間で出せるようにもなるかもしれません。分野を超えて利用される日もそう遠くはないかもしれませんよ」

 

メリット4. 暗号通貨建ての資金調達「ICO」

 

「ICO(Initial Coin Offering)」とは、あるプロジェクトや組織が、ブロックチェーン上でトークン(そのプロジェクト用のオリジナル仮想通貨)を発行し、それらを一般に向けて販売することで資金調達を行うことです。会社の株を上場前に投資家に取得してもらう「IPO」がありますが、その仮想通貨版。主体は、株式会社ではなくプロジェクトやサービスで、ビットコインで取り引きをします。

世界中から資金を集めたいので、ほとんどが英語でアナウンスされています。上級者向けの話なので、ICOという資金調達の方法があるということを知っておきましょう。

ここからはデメリットを挙げていきます。

 

 

デメリット1. 投機的側面がある

仮想通貨「ビットコイン」は、2013年3月ごろ1BTCが約1万円でしたが、2017年8月15日までに1BTCが46万~50万円相当に。その価値は約50倍になっています。2013年春に10BTC購入していれば、現在は500万円近くになっている人もいます。

「仮想通貨は投機的側面があり、ボラリティ(価格変動性)が高く、暴騰暴落を繰り返しているため、価値の保存に向いていないという人もいます。株やFXよりも価格変動が大きいです。暴落しないか不安と思うなら、今は仮想通貨を所有するのは控えるようにしましょう」(加藤さん)

 

デメリット2. ITリテラシーが低いと使いこなせないこともビットコインの送金に必要な「ビットコインアドレス」は「銀行口座番号」のようなもの。27~34字の複雑な文字列です。「コピー&ペースト」機能や「カメラでQRコード読み取り」で正確に読み取ることが求められます。間違えて違うビットコインアドレスに送金しても取り戻すことはできません。パソコンやスマホの基本機能を理解するところから始めないといけない、ウィルス対策をパソコンに設定できないなどITリテラシーに乏しい人は利用を控えるのがいいでしょう。

 

デメリット3. 何があっても自己責任

メリットとして「国境がない通貨」と紹介しましたが、逆に言えば、何か起こっても自己責任ということ。価値が暴落しても、パソコンやスマホがウィルスに感染してウォレットがハッキングされようが、悪質な取引所に持ち逃げされようが誰も保障してくれません。

最近では、取引所には公開されていない「私からしか買えない」仮想通貨と謳って詐欺に遭う、事件に巻き込まれるという悪質な事例も起こっています。儲かるならやってみよう、ではなく、リスクがどの程度なのかを認識したうえで仮想通貨を始めるようにしましょう。

 

次回は「仮想通貨を持つ」(取引所の選び方、取引所とウォレットの仕組み)」をお届けします。

 


▼取材協力/

ファイナンシャルプランナー 加藤仁美さん

名古屋周辺の企業や住宅展示場、葬儀場などで、お金に関するセミナーや保険の見直し、資産運用などの個別相談を務める。子どものおこづかい教室から相続・贈与までテーマはさまざま。

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