冬のヘアケア対策~頭皮を保湿

顔や手など見えやすい部分の肌の乾燥が、冬は気になります。髪の毛が生えている頭皮も同じように乾燥気味。油断していると抜け毛が増えてしまうかも…。頭髪治療専門クリニックAACクリニック名古屋の院長・平山信夫先生に対策を聞きしました。

 

抜けやすいのは夏から秋…でも

頭皮を紫外線から守るために、頭髪があると考えられています。抜け毛の多い時期は一般的には8月後半から9月にかけて。「ある学会誌で、イギリス人と中国人で抜け毛が増える時期を調査したところ同じ8月後半から9月にかけて抜けやすいという論文が発表されたほど。世界的に髪の毛が抜けやすい時期と考えられています。夏バテによる疲れの影響でホルモンバランスや生活習慣が乱れたり、夏の強い紫外線による頭皮のダメージの影響も大きいと推測されています」と平山先生。

秋以降は、頭髪が成長し毛髪の密度は元に戻るといわれていますが、油断しいていると皮膚の乾燥が気になる冬がやってきます。

「頭皮が乾燥すると、頭のかゆみやふけといった症状に悩まれる人が増えます。乾燥している=血行不良、毛根に栄養が行きわたっていない状態になっていると考えられます。女性は男性に比べて毛髪が細い人も多く、秋以降に新しい髪の毛が成長しないと、毛髪の密度が薄いままと感じやすい人もいる。しっかり乾燥対策をしましょう」と平山先生はアドバイスします。

 

1日100本までは自然なこと

成人1人あたり頭髪は平均10万本あるといわれています。そのうちの約9割が生え続けている状態にある「成長期」、残り1割は成長が滞りはじめた「退行期」、毛髪がない「休止期」にあたります。諸説ありますが、男性で2~5年、女性は4~6年間で一巡すると考えられています。休止期に入った髪の毛が抜け、女性は加齢とともに休止期の期間が長くなります。「抜け毛は1日100本程度あるのは自然なことと考えられています。それよりも多いのではと感じたらケア方法を見直してみては」と平山先生。

 

うるおい、栄養、睡眠をキープ

具体的な対策としては、「保湿をすること」。職場と家庭で気を付けることをそれぞれ挙げてもらいました。

 

オフィスで気を付けること

・こまめに水分を取る
・1時間に1回は席を立って動く
・加湿器で保湿する

エアコンの直風を受けやすい頭皮。デスクワークが多いならエアコンの風を避けるため、そして血行を促すためにも席を立って動いてみましょう。お茶や水を飲んで水分補給をしつつ、加湿器も備えれば保湿対策としては十分です。

 

家庭で気を付けること

・質のいい睡眠をとる

髪の毛の生育にとって、睡眠中に特に分泌が促される成長ホルモンは欠かせません。睡眠開始から約90分後の熟睡しているときに、1日の約70%が分泌されます。睡眠の2時間前までに食事を済ませ、ぐっすりと眠るように心がけましょう。

 

・バランスの良い食事をとる

また、髪の毛の99%はたんぱく質でできています。動物性(肉、魚介、卵など)・植物性(大豆など)たんぱく質をバランスよく含む食事を心がけましょう。

最近髪用ではなく頭皮用のトリートメントも販売されています。保湿成分が含まれるものを選んで適宜使ってみましょう。

 


●取材協力/AACクリニック名古屋

男女別の専用診察スペースがあり、2017年10月に女性頭髪専門外来を開設。加齢による悩みや産後の抜け毛のケアなどにも応じる。髪に優しいオーガニックの素材を使ったヘアサロンも併設。完全予約制。

住所/中区栄3-17-15 エフエックスビル9階
https://www.aac-nagoya.com/