9月20日、中部国際空港(以下セントレア)に格安航空会社(LCC)向けの第2ターミナルが開業しました。セントレアから韓国や台北など海外6都市、国内も札幌、沖縄など5都市に安く足を運べるようになります。
今回はセントレア第2ターミナルの概要と、普段は見られない空港の裏側を紹介します。
|シンプルな構造で、フライトをより安く
第2ターミナルは、既存の第1ターミナル南側に位置しており、昨年10月に開業した商業施設「フライト・オブ・ドリームズ」に隣接しています。
就航する航空会社は、ジェットスター・ジャパン、エアアジア・ジャパン、チェジュ航空、ティーウェイ航空、エアプサンの5社で、海外6都市・国内5都市の便が利用できます。
施設は、利便性と機能性を備えながら簡素な構造で造られています。ロビーと旅客機をつなぐ搭乗橋が無く、地上まで降りてからタラップを上って搭乗するのが特徴的です。他にも展望デッキやラウンジ、動く歩道を無くしてコストカット。これらのおかげで乗客の負担が削減されています。旅客施設使用料は、第1ターミナルで2,620円ですが、第2ターミナルでは1,300円とほぼ半額です。(料金は、発券・搭乗のタイミングで異なる)
|簡素な中に、快適な旅の工夫が
自動チェックイン機が並ぶ第2ターミナルでは、利用者が荷物を預ける際、自らタグを取り付けてコンベヤーに載せる自動手荷物預入機(セルフ・バッグ・ドロップ)が導入されており、ファストトラベルが実現可能になっています。
国際ゲートに向かう通路は、滑走路をイメージしています。青と白を基調にし、ネオンでおしゃれに装飾され、床面には消費カロリーの表示が。長い通路でも楽しめる工夫が施されています。
写真映えスポットも点在
搭乗ゲートエリアのいすには、多くの充電口が
商業施設は14店舗。家電量販店「Airビックカメラ」では、就航先の外国人ニーズを反映したおみやげがずらり。韓国ではドライヤー、中国、台湾ではステンレスボトル(水筒)が人気なのだとか。
世界で成長しているLCCの受け皿として、中部地区の航空需用拡大を担うセントレア第2ターミナル。気軽で自由な“空旅”を叶えてくれそうです。
|夜の“はたらく空港”に潜入!
ここからは、セントレアの空港・航空会社の仕事の現場を紹介します。取材したのは、セントレアと深夜早朝便を運航するスカイマークが共同開催した「Night Tour for SKY KIDS 2019」。小学5、6年生の親子6組が、普段入ることのできない空港の裏側で働く人や現場を見学する体験プログラムです。
トーイングトラクター(奥)とタグ車(手前)
まず、空港で働く車を見学・試乗しました。航空機をけん引する「トーイングトラクター」は車両重量が25トンあり、ジャンボジェットもけん引可能です。
貨物や手荷物が入ったコンテナを運ぶ「タグ車」は、空港で最もポピュラーな車両。空港内の道は狭いので小回りが利く仕様になっています。これらの車両の運転には大型免許が必要で、それに加え空港ごとに試験があります。
駐機場では、航空機の仕組みや荷物の運搬方法を学びました。目の前に到着したての航空機が!あまりの迫力に子どもたちは大興奮。
到着した機内から水を全て抜く。汚水は専用車両で抜き取り
コンテナから出された乗客の荷物は、コンベヤーで空港内へ
航空機が到着してから次の出発までの時間はたった35分。「安全を優先しながら、時間を守る」をモットーに、スカイマークは定時運航率2年連続1位を実現しています。
|空港の安全を守る消防署
空港内にも消防署があるのをご存知でしょうか。通常の消防車とは異なる「大型化学消防車」は、12,500ℓ(風呂 約60回分)を2分で放水できる特別な車両で、セントレアに3台配備されています。泡を作って油膜を包む化学薬剤での消火も可能です。
消防隊員は各15人体制で4チームあり、24時間空港を守ります。いざという時の事故に備えて毎朝空港内を消防車が走り、放水訓練を行っています。今までセントレアで大きな航空事故は無いですが、タグ車の火災で出動したことはあるそうです。
私たちが快適に利用できる空港は、さまざまな人や航空会社が一丸となって支えてくれています。セントレアを利用する際、空港の裏側を想像しながら利用してみると、いつもと少し違った景色が見られるのではないでしょうか。
▼中部国際空港セントレア 第2ターミナル
セントレア公式HP
https://www.centrair.jp/index.html
◆ナゴヤNAT’s「フライト・オブ・ドリームス」の記事はこちら
https://nats.nagoya/?p=2329