〈シリーズ〉オーガニックスーパーの魅力発掘vol.6 旬楽膳(名東区)

オーガニックスーパー第6弾は、全国最大級のナチュラルフードストア「旬楽膳」。名古屋市名東区にある地アミ店を取材しました。

スーパーマーケット・カネスエを運営する会社が「食の大切さ」を実感し開業した業態です。17年の歩みの中で、さまざまな生産者の思いを届けています。

 

大病を患ったことが始まり

旬楽膳は、代表・牛田彰さんが病気を患ったことをきっかけに始まりました。「食品を扱う会社なのに、食事の大切さを考えていなかったと病床で反省したそうです。安全で、安心して食べられる食材を扱う店舗構想がこの時生まれました」と教えてくれたのは、旬楽膳の岩谷妃都美(ひとみ)さんです。

病をきっかけに食を見直す人は多いですが、事業を始めるのは簡単な道のりではありません。代表自らの足で全国の有機農業生産者に会いに行き、取引をお願いしながら一つ一つ関係を築きました。その結果、2003年に「旬楽膳 一宮八幡店」が開業。大規模なオーガニックスーパーなので、初めは有機商品だけで棚を埋めるのが大変だったのだとか。

 


旬楽膳オリジナル“安心安全な”ドックフードも

当時は、今ほどオーガニックが浸透していない時期だったこともあり「日常使いの物が無い」と敷居の高さを感じる人も多かったそう。「毎日食べる物を選んでほしい」との思いから品ぞろえを切り替え、約350品目ある旬楽膳のプライベートブランド商品は「物が良くて、お値打ち」がコンセプトになっています。

 

有機のコレクターになってはいけない

東海地方で4店舗を営む旬楽膳の、商品選びの基準について聞きました。

「アミノ酸などの化学調味料や食品添加物の有無、石油系原料は扱わないといった基準はあります。加えて気を付けているのは、私たちは“有機のコレクター”ではないということ。有機の商品だからおいしいとは限らないし、無農薬栽培でも有機JASマークにこだわらない作り手もいる。生産者の思いを理解し、お客様に紹介することを大切にしています」

生産者と直接会うバイヤーの思い入れは、店内の商品ポップから伝わってきます。お勧めの調理法の紹介や試食があるのもありがたいです。

 

生産者の思いが見えるスーパーマーケット

「今週の逸品」として積まれていたのは、岐阜県・白川町で採れた里芋です。(取材は12月中旬)

有機認証マークは取得していませんが、栽培期間中は農薬・化学肥料を使っていません。一般企業を退職し、Iターンで白川に移住した異業種の若者が集い、先進的に有機農業を続ける「岐阜白川グループ」で生産されています。

驚いたのは、仕入れ方法。店側は発注をせず「一番おいしい時期に送って」と生産者に委ねているそう。つまり店に並んでいる時が買い時ということですね。(2月まで販売予定)

 

コンテスト殿堂入りした長野県・宮田村の「細田さんのりんご」。味に魅了され、毎年シーズンを待つ人が多いのだとか。細田さんは、収入の3分の1を有機肥料に投じ、まるで子どものようにリンゴを育てています。残留農薬はゼロなので、栄養豊富な皮まで食べることができます。

 

お客さん目線で店をつくる

三重県産大豆・ふくゆたかを使ったオリジナルの納豆も人気商品。珍しい5連セットなのは、遠方の方、週に一度足を運ぶ人から「5連だとありがたい」という声があったから。機械でパッケージできないので、手作業で行っているこだわりも。添加物の基準を満たせないため、タレとカラシは添付していません。大豆の甘みを強く感じる一品です。

 

品質保持のため、店内の温度が低めの店内にはポットが設置されています。これも訪れた人に温まってもらおうという心遣いから。

伊吹山薬草園のヨモギ茶は、ミントティのようなすっきりとした味わい。血液循環を促進して冷え性改善、利尿作用でむくみ改善など、健康効果の高いノンカフェインのお茶です。

 

リピーターが多く半年ほど欠品していた大人気商品は、カカオ含有量85%チョコレートです。主成分は、カカオマスとビートグラニュー糖のみ。一般的なチョコレートが含むカカオバターを無くしている分、ポリフェノールが多いのが特徴。乳化剤も入っていないので、一般のチョコレートの3~4倍の時間をかけて練り上げています。

ハイカカオですが、苦みやえぐみがほとんど無く、さっぱりとした甘みで非常に食べやすいです。バレンタインの季節にもお勧めですね。

 

料理の腕がアップする調味料

旬楽膳を通じて「料理を作ってもらいたい」と話す岩谷さん。

「加工品は味が決まっていますが、自分で調理すると工夫する楽しみが生まれます。まず、塩だけでもいいから変えてみてほしい。調味料が変わるだけで、料理の腕が3割上がった気がしますよ!一度体験してほしいです」

 

添加物のおかげで、品質が安定し安価で買い物ができるのも事実。しかし、無添加で手間をかけて作られる分、味に差が現れています。生産者の思いや商品の魅力を伝え続ける旬楽膳。新たな食の楽しみを見つけるべく、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

 


旬楽膳 地アミ店

場所/名古屋市名東区若葉台1402
営業時間/10:00~20:00

他にも、滝ノ水店(緑区)、日進店(日進市)、一宮・八幡店(一宮市)があります。店舗情報は、ホームページで。

http://www.syun-rakuzen.com/

 

 

今月のプレゼントは、旬楽膳オリジナル「旨味しっかりだしパック」(309円)、「オーガニックデーツ・カシューナッツ」(649円)、記事内で紹介した「85%カカオチョコレート」(459円)の3点セットです。
応募は1月31日(金)まで。こちらもチェックしてくださいね!

https://nats.nagoya/?p=3185