大学生起業家が届ける新鮮!安全!安心の『ままやさい』

『ままやさい』って何? 野菜の種類? お母さんが作る野菜? これは、現役大学生である櫻井莉加子さんが立ち上げた野菜の宅配システムです。

「ままやさい」とは、自然の「まま」、畑からその「まま」、「ママ」が子どもに食べさせたい野菜などの言葉から櫻井さんが造った言葉。この言葉には櫻井さんのたくさんの思いが詰まっています。

今回は、太陽・土・水といった自然の力を利用して安全・安心の野菜を作る農家さんと消費者をつなぐきっかけを作りたいと始めた「SLOWLIFE」の活動をご紹介します。

 


ココニコヒロバさんの畑でとれた巨大ダイコン

最近ではスーパーでも見かけるようになった有機野菜。しかし、実際には、無農薬有機栽培で野菜を育てているのは全国の農家の0.5%。さらに有機栽培を表示できるJAS有機認証を取得しているのは、その半分ほどといわれています。なぜなら、有機認証取得には、時間も手間も、費用もかかり、農薬を使用せず、化学肥料を使用しない小規模農家にとって、通常の農作業に追われ、忙しく取り掛かれていない現状もあるからです。

それなら、数値や基準では表せないけれど、こだわって野菜を作っている農家さんの思いを伝える場を作りたい! 櫻井さんは1年間大学を休学し、SLOWLIFEを立ち上げました。

 


SANAE&TSUTOMU有機菜ENさんの野菜セットMサイズ

 

知っているようで知らない農作業の実態

そもそも、櫻井さんが野菜や畑に興味を持ったのは、お母様の影響だとか。安心・安全な野菜を作る農家さんから野菜を購入したり、農業塾に通って野菜作りを習う姿を見て、関心を持ったのだそうです。

コロナ禍で大学がオンライン授業になり、家にいる時間が多くなった櫻井さんは、お母さんが購入してくる野菜の種類の多さに驚いたとか。また、今まで苦手だったセロリやトマトのおいしさに気づくなど、自然環境を生かして作る野菜の味の違いに興味を持ったといいます。

 


太田農園さんのタマネギ収穫体験

もともとエコには関心のあった櫻井さんは、農薬や化学肥料を大量に使用すると農家さんの健康はもちろん、土や水、空気といった自然環境も汚してしまいます。現在は、野菜も大量に生産し、大量に輸送するシステムが中心ですが、地産地消であれば輸送コストもCOの排出量も減らすことができます。地元愛知にも丁寧に安全安心の野菜を作っている農家さんがいるのに、知られていないことも多い。農家さんも忙しくて発信する手段がない。それなら農家と消費者をつなぐ部分をサポートしようと思い立ったのです。

 


ココニコヒロバさん(ご夫婦)

 

コロナ禍で与えられた時間を有効に使う!

大学がオンラインだった1年間に農家さんを訪ねたり、援農したり、マルシェで買い物するようになると、より農家を支援したいという思いが強くなったという櫻井さん。大学を休学し、サイトを立ち上げ、個人事業主としてスタート。農家との契約交渉から、配送方法、インターネットでの注文サイトの立ち上げまで、すべて一から勉強し、一つずつクリアしていきました。

ホームページもチラシも初めて作り、SNSを使って情報発信。インスタグラムから購入希望の連絡が来たり、今の時代ならではの方法が見つかりました。最初に購入してくれたのは東京の方で、櫻井さんの活動に共感し、応援したいと購入してくれたそうです。

 


岡田農園さん(ご夫婦)

まだまだスタートしたばかりの事業ですが、農家さんの熱い思いに負けないくらい熱い櫻井さんの思い。作る人、食べる人、みんなが笑顔になれる仕組みづくりを考えたいといいます。コロナ禍で留学予定が中止となった1年を違った形のチャレンジで一歩踏み出した彼女の活動をこれからも応援したいと思いました。

 


▼櫻井莉加子さん

2000年4月生まれ。2019年南山大学外国語学部アジア学科に入学。翌年、コロナ禍で1年間のオンライン授業となり、その中で起業への決意が芽生える。2021年5月に無農薬、有機で栽培する農家さんのPRや受注のサポートを担うSLOWLIFEを起業。マルシェなどの直接販売やイベント出展なども企画中。

 

★SLOWLIFE公式HP
https://slowlife0831.jp/

 

★「ままやさい」セット定期便

2軒の農家さんから、旬の採れたての野菜が交互に届く「ままやさい」セット定期便!

https://sakulife.shop-pro.jp/

 

 


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