グラノーラはここ数年で全国的に市場が拡大。名古屋でも専門店が登場し、自家製を製造・販売するところも増えてきました。健康面にどう影響するのか、栄養の専門家の話も交え、グラノーラのちょっとイイ話をお届けします。
バランスよく
多品種を一度に食べられる
グラノーラは、シリアルの中の一つといわれ、数種類の雑穀とナッツ類、ドライフルーツがバランスよくミックスされた食品です。食品成分の研究などを行う「デザイナーフーズ」の代表で、管理栄養士の丹羽真清さんに、グラノーラのいい点を聞いてみたところ、「多品種の食材を一度に食べられること」という回答が。
◆オートミールや大麦などの雑穀◆
→食物繊維や難消化性でんぷんを多く含む
◆アーモンドやクルミなどのナッツ類◆
→オレイン酸、オメガ3などを含み、コレステロールの蓄積を抑えてくれる
◆イチジクやレーズンなどのドライフルーツ◆
→適度なミネラル、カリウム、食物繊維を含む
「日本人は古くから献立を立てるときに〈一汁三菜〉という方法をとってきました。汁物1品とおかずを3品で構成されたバランスのいい献立のことですが、最近の日本人の食生活は偏りがち。よく噛んで、多品種を一度に食べることができるグラノーラは、健康面からいえばバランスのいい食品といえます」(丹羽さん)
難消化性でんぷんと食物繊維が
大腸がん予防、
心筋梗塞のリスクを↓
一度にバランスのとれた栄養を取れるだけでなく、「もっと健康効果も期待できる」と丹羽さん。それは、大腸がん予防と心筋梗塞のリスクを下げるということだそう。
「雑穀類に含まれる難消化性でんぷんは、腸内で善玉菌を増やし、腸内環境を整えてくれる働きをします。結果、大腸がん予防につながります。お弁当などで食べるおにぎり。常温で食べますよね? 冷めたごはんにこの難消化性でんぷんは多く含まれます。昔の人は炊いたご飯をおひつにいれて保存していた。知らず知らずのうちに難消化性でんぷんを摂取していたのではと考えられています」(丹羽さん)
また、心筋梗塞のリスク軽減については、食物繊維の摂取量が関係しています。2015年に厚生労働省が公表した「日本人の食事摂取基準」によると、食物繊維の摂取目標量は1日18g(成人女性の場合)以上。最新の研究によって、この量を摂取することが、心筋梗塞にかかるリスクを下げると分かってきたのだそうです。食物繊維を手軽に、しかも豊富にとれるのがグラノーラ。食事に取り入れない手はないですね。
おいしいだけでなく、健康効果も期待できそうなグラノーラ。続いては、名古屋で自家製グラノーラを販売するショップをご紹介します。
サクサク食感、
小麦とナッツにこだわって
東区・飯田町 MEGUMiK(メグミク)
2013年3月にオープンしたグラノーラ専門店の「メグミク」。モノトーンでまとめられたおしゃれな雰囲気のお店で、扉を開けた瞬間に、香ばしいグラノーラの香りに包まれます。
店誕生のきっかけは、オーナーの松橋恵子さんに起こった体調の変化だったそう。「4年前に、それまで経験したことのない便秘になりました。名前も知らなかったグラノーラを友人に勧められて。ところがどれもかなり甘すぎる。それなら自分で作ろうと」(松橋さん)
素材選びでこだわったのは、麦。「スペルト小麦」という、小麦の原種にあたる古代穀物。一般的な小麦と比べてミネラルやビタミンが豊富で、グルテンも少なめ。滋賀県で栽培されたものを使用しています。
ドライフルーツとナッツ類をバランスよくミックスした「プレーン」(200g入り、税込み1,500円)をはじめ、グラノーラは4種類を展開していますが、どれも甘さは控えめで、サクサクとした食感が楽しめます。「モデルさんが食べていて美容にもいいと聞いたので」、とグラノーラに使用するナッツを使い、ハニーナッツやローストナッツも商品化しています。
店の奥にある厨房では、買いに訪れる人の様子を見ながらスタッフがグラノーラの仕込み。お客さんの希望や要望を取り入れながら、新しい商品開発に取り組んでいます。
「お勧めの食べ方は?」と尋ねたところ、「たまご焼き」という松橋さん。「グラノーラをしっかりとローストしてあるので、べたっとすることはなく、甘さも控えめなので合いますよ」
グラノーラ専用ボールなどギフトに便利なセットもあり。「健康なものをプレゼントしたい」時にもぜひ活用してみて。
●MEGUMiK
名古屋市東区飯田町50
052-937-7500
11:00~17:00、日・月・祝日定休
http://www.granola-megumi.jp/
体に優しい、
手軽に食べられる‟おやつ‟
中区・大須 ブリコラージュ
ゴロゴロとした大きめサイズのグラノーラを手掛けるのは、中区大須でカフェやハンバーグ専門店、野菜にこだわったスチーム料理を提供するダイニングを運営するブリコラージュさんです。
きっかけは、若宮大通り沿いにある「STEAMFOOD&CAFEぶりこ」をリニューアルした時のこと。女性が手軽に食べられて、体にいいおやつをつくって提供しよう、という話が持ち上がったそう。当初はクッキーなどいろいろ手掛けていたそうですが、最終的にグラノーラ1本に。現在はテイストが異なる5種を展開しています。
グラノーラをつくっているのは、料理長の田中道行さん。「最初はグラノーラなんて言葉も知らなったけど、とにかくおいしくて食べ続けられるものをつくろうと思った」と当時を振り返ります。全量の約3割をライ麦や全粒粉にし、健康を意識しつつ、ハチミツや粗糖、黒糖などで甘さをプラスしています。
オリジナル、アールグレイ、黒豆&きなこの他に、名古屋らしさを出した「小倉トースト」味をスタンダードに展開。「大須を中心に展開しているので観光客も訪れる。名古屋らしさにこだわって、フリーズドライの小豆を使ったグラノーラをつくりました。パッケージも“らしさ”を意識して、名古屋テレビ塔や名古屋城を入れていますよ」(田中さん)
お勧めの食べ方を聞いてみたところ、「ホットヨーグルトと合わせてみては?」とオーナーのフルカワマコトさん。「相性がいいのは、同じ大豆系ということで湯豆腐に、〈黒豆&きなこ味〉を少量トッピング。イソフラボンをたくさん摂れますよ」
お茶うけのお菓子に、スープのトッピングやサンドイッチのアクセントに、活用法もいろいろ。便利なグラノーラをまずは一度味わってみませんか?
●ブリコラージュ
店頭販売は2店舗
「珈琲ぶりこ」(写真)
名古屋市中区大須3-35-22
「STEAMFOOD&CAFEぶりこ」
名古屋市中区大須3-6-25 ミニヨンコート2F
052-269-0307(STEAMFOOD&CAFEぶりこ)
http://www.bricolage.co.jp/bricogateau/
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