スパイスで残暑を乗り切ろう!(後編)

暑さは少し和らぎ始めましたが、まだまだ汗ばむこともありますね。先週に引き続き「スパイス」特集の後編です。

スパイスやハーブを使ったカレーと多国籍料理の店舗を3軒紹介。国ごとに異なるスパイスを使い、見慣れないおかずが並びますが、日本人の口にも合うおいしい料理ばかりです。

 

南インドカレー「エリックサウス」

名古屋駅直結の「KITTE名古屋」内に2016年にオープンした「南インドカレー&バル エリックサウス」。東京駅にある店が人気を呼び、満を持して名古屋にオープン。土日は行列ができる人気店です。

「南インドならではのスパイスは、香り付けに欠かせないマスタードシードとカレーリーフ。スパイスを油で炒めて香りを移し、出来上がったカレーにもう一度その油を加えるのも南インドらしさ」と店長の中島憲二さん。最近では、カレーリーフが日本でも栽培されるようになり、風味豊かなフレッシュハーブを入手できるようになったのだとか。

 

南インドの定食「ミールス」(写真は、ランチミールス1,080円)は、「カトリ」という小皿に入ったカレーやおかずが並びます。この日は、エリックチキンカレー、レンズ豆とホウレンソウの煮込み、豆と野菜を煮込んだ「サンバル」、タマリンドと黒コショウの効いたスパイススープ「ラッサム」とヨーグルト。長細い形状のバスマティライスとターメリックライス、豆のスナック「パパド」。これがミールスの基本形です。

 

カトリを皿の外に出して、少しずつ混ぜながら食べるのが現地流。組み合わせで変化する味を楽しんでください。

 

◆エリックサウス KITTE名古屋店

場所/名古屋市中村区名駅1-1-1 KITTE名古屋B1F
営業時間/11:00~23:00(LO22:30)
定休日/年中無休(施設に準ずる)
TEL/052-433-1780
https://enso.ne.jp/erick-south/

 

 

スリランカカレー「カフェパハナ」

日本在住14年のオーナー・マンジュラさんが営む「カフェパハナ」。スリランカの実家がスパイス農園で、料理に使う8割は実家から直輸入したものです。

 

スリランカカレーは、フレッシュなハーブを使うのが特徴。ランペやゴトゥトラというカレーに必須のハーブは、店先のプランターで育てています。野菜にもこだわり、あま市の契約農家から旬の野菜を購入。マンジュラさんとの縁をきっかけにスリランカの野菜も作ってくれるようになったそうです。

 

現地の家庭料理を再現する「ホームメイドプレート」(平日ランチは1,380円、土・日曜は1,680円)。メインのカレーが別皿に1種と、大皿にはカレー2種類と総菜4種類が並びます。この日は、マトンカレー(別皿)、ひよこ豆のカレー、ココナッツサンバル、ビーツの和え物、ゴーヤのスパイスサラダ、ジャガイモのスパイス炒め、黒キャベツの炒め物。バスマティライスと混ぜながら食べます。

「新鮮なスパイスは、香りや風味が全く違う。例えば、コショウは辛みの中に甘味を感じる。本物のスパイスをぜひ味わってほしい」とマンジュラさんは話していました。

 

◆カフェパハナ

場所/名古屋市熱田区金山1-8-13 彫清ビル1F
営業時間/11:30~14:30、17:30~23:00
定休日/月曜日
TEL/052-681-2001
https://pahanakanayama.wixsite.com/cafepahana

 

 

西ジャワ料理「サウンスンダHiroko」

最後は、長久手市へ。田園の中にたたずむ、インドネシア西ジャワ地方の料理を提供する「サウンスンダHiroko」は、2017年3月にオープン。海外研修生の食堂で働いていたオーナーの近藤比呂子さんが、一人で店を切り盛りしています。

旦那さんの出身地である西ジャワ地方の料理は、インドネシア特有の辛みと甘さに、酸味を加えるのが特徴。使うのは、タマリンドというレモンに似た酸味の強いスパイスです。

基本メニューは3種類。Aセットは、西ジャワのおかず定食。Bセットは辛さをしっかり付けたおかずの盛り合わせ。Cセットは、本日のカレーですが「インドネシアに限らずインドやタイなど、さまざまな国のスパイスカレーを出しています。ただ、その日の気分でメニューを決めるので、カレーじゃない場合もあります(笑)」と比呂子さん。

 

一番人気はAセット(写真)。この日はインドネシアの独立記念日で、お祝い用の「ナシクニン」というご飯が円柱状に盛られていました。

プレートの奥に添えられているのは「サンバル」。ここで言うサンバルは、辛みそのこと。家庭によって味の違う、まさに“おふくろの味”だそう。同店では、発酵したエビみそを混ぜています。おかずは、油揚げの中に肉や野菜を入れて揚げた「タフイシ」や、大豆を無塩発酵させた伝統食材「テンペ」の甘辛炒めなど。辛さを加えたい時は、おかずにサンバルを付けながら食べます。

 

西ジャワ地方の人は、生野菜を食べる習慣があります。インドネシアの中では珍しいのだとか。「“カレドック”というハーブとピーナツをあえたサラダを好んで食べるんですよ」

現地の家庭料理が食べられると評判ですが、比呂子さんの温かい雰囲気が食事をさらにおいしくしているように感じられました。お子さんの都合で休むこともあるので、行く前にFacebookでチェックしてくださいね。

 

◆サウンスンダHiroko

場所/長久手市北熊16
営業時間/11:00~17:00(LO16:30)
定休日/月曜日(臨時休業あり)
TEL/0561-58-2253
https://www.facebook.com/search/top/?q=%E3%82%B5%E3%82%A6%E3%83%B3%20%E3%82%B9%E3%83%B3%E3%83%80Hiroko

 

どの国でも、家庭で親しまれている料理は優しくて伝統的です。アジアの国の食文化に欠かせないスパイスは、料理をおいしく、そして心と体を元気にしてくれる魔法のような食材かもしれません。

 


8月のNAT’sのプレゼントは、「本格カレースパイスセット」です。応募は8月31日(金)まで。こちらもチェックしてくださいね。

>>https://nats.nagoya/?p=2146