「農業リアリスト」の国産そば

本物のうまい国産そばとは?自らそばを栽培し手打ちそばを作る、奥飛騨朴念そばの会の石田五十六会長著の「そば読本」を読めば、その答えが見つかりそうです。

農業リアリストとして、うまいそばの栽培と生産の探求に余念のない石田会長。そば本やそばの報道が耳学問・紙学問によるツギハギや誤報にあふれ、国産偽装やにせものの商品が氾濫していることを憂慮し、「このままではウソがホントと信じられる世の中になりかねない。誰かが正しいことを書かねばならない」との使命感から、「そば読本」の出版を決意しました。

 

国産そばの味を残したい!


奥飛騨朴念そばの会メンバー(前列左から2番目が石田会長)


「奥飛騨朴念そば」の実

国産そばの自給率はわずか20%程度。「輸入そばの価格は、優良国産そばの7分の1や8分の1ですので、世の常として“にせもの”と“国産偽装”はなくなりません」と話す、石田会長。「ユネスコ文化遺産“和食”の一翼を担うそばですので、利のないことを苦労とは考えず、飛騨人として国産100%の“日本そば”を愚直に提供していきたい」と、そばへの思いをますます強くしています。

仲間でそばを栽培し、うまい手打ちそばを食べようという趣味からスタートした、奥飛騨朴念そばの会。その後、新品種で美味なそば「飛越1号」を農水省に品種登録できたことを機に、石田会長は、本物のそば栽培・生産と地域振興の両方を図りたいとの気持ちを強くしていきました。

そばには「〇〇在来種(系)」といわれる地域特有種があり、そばのおいしさの一翼を担っています。「飛越1号」の生い立ちは、飛騨市に長く受け継がれてきた「飛騨宮川在来種」を母に、在来種の至宝「越前在来種」を父に生まれた在来種系の新品種。品種名は、そば種の故郷の飛騨・越前の1字ずつを取りました。商標登録名は、奥飛騨ルーツであることと、担い手が一徹者の朴念仁(ぼくねんじん)であることにちなみ、「奥飛騨朴念そば」としました。

 

おいしいそばの見分け方


香りやのど越しが楽しめる「ざるそば」

本当においしい国産そばを見分けるためは、どうしたらよいのでしょうか。「人間の味覚は、嗅覚と連動しているといわれます。そばは食感も大事です」という石田会長。おいしいそばを見分けるための「チェックポイント五か条」を作ってくれましたので、ぜひ活用してください。

 

【チェックポイント五か条】

1.そば本来の味
つゆを付けずに2~3筋口に運ぶ際、ほのかなそばの香りがし、口内でしなやかな腰と弾力が感じられるそばか?

2.鼻と喉の感触
そばつゆを付けてすする際、つゆの香りが鼻に満ち、かつ喉越しの良いそばか?

3.ゆで具合
硬すぎずやわらかすぎないゆで具合か?

4.そばつゆ
だし材料の良さが感じられる、味の深みとスッキリ感が両立した味か?

5.そば湯
そばの味と香り、そばつゆのうま味がバランスよく口に広がり、至福感がもてる後味であったか?

 

 

そば探求の旅を


「奥飛騨朴念そば」の花

『そば読本』の著者である石田会長は「そば読本は二十年の経験に基づく実学の本です。座右におけば、いつでも“そば辞典”として利用でき、きっと“そば知り”になれます。1回読んで終わりではなく、2~3年かけてこの本を伴に“そば探求”の旅をしてみてください」とそば探求の旅を薦めています。

現在は「同一系品種による夏そばと秋そばの二期作」に挑戦中。石田会長は「従来、別品種による二期作があったが味は全く別物でした。今回、日本そば史上初といわれる同一品種の二期作なら“そば革命”となります。乞うご期待」と、そばへの情熱は深まるばかりです。今後も「農業者としてうまいそばの栽培と生産を頑張りたい。和食は、世界用語となった、かつおぶし、昆布などの“UMAMI(うま味)”を基本としています。お吸い物、ざるそばつゆはUMAMIの代表例。“一汁入魂”の気持ちで精進していきたい」と力を込めます。

 


▼奥飛騨朴念そばの会について詳しくは
http://www.bokunen-soba.jp/

奥飛騨朴念そばの購入、食べられるお店も掲載されています。

 

▼「そば読本」のご購入はこちらから
「そば読本」(楽天ブックス)

中日新聞販売店でも取り扱い中。
問合せ/中日新聞出版部 TEL 052-221-1714

 

★5月のナゴヤNAT’Sのプレゼントに、「そば読本」をご用意しました。

プレゼントの応募はこちらから。ぜひご応募を!