知っていますか?「世界自閉症啓発デー」

毎年4月2日は「世界自閉症啓発デー」(World Autism Awareness Day)。国連が定めた日で、全世界でさまざまな取り組みが行われます。名古屋でも理解するためのイベントや映画の公開が予定されています。この機会に自閉症と向き合い、考えてみませんか?



|街のシンボルが「ブルーライト」に


写真:LIUB名古屋提供

自閉症とは、脳の発達の仕方の違いから「他の人の気持ちや感情を理解すること」「言葉を適切に使うこと」「新しいことを学習すること」などが難しい発達障害の一つ。一般的な「常識」と思われることを身につけることも苦手です。自閉症の人たちは、とても「純粋」で、自分の感じたままに話したり、行動したりすることがあり、感覚が過敏であったり記憶が抜群な人もいます。

(参考:世界自閉症啓発デー・日本実行委員会ウェブサイトより)

 

平成19年12月開催の国連総会において、カタール王国王妃が提案したことにより、毎年4月2日を「世界自閉症啓発デー」(World Autism Awareness Day)とすることが決定されました。それ以後、自閉症への理解を啓発するための取り組みが全世界に広まりました。

 

「癒し」や「希望」などを表す青色。街中をブルーでライトアップすることで自閉症啓発を促す「ライト・イット・アップ・ブルー」というイベントは世界中で行われています。全国では、さっぽろテレビ塔や東京タワー、京都タワー、通天閣や大阪城など多くの「街のシンボル」がライトアップされます。名古屋では2015年にその取り組みが始まり、今年は栄のシンボル「名古屋テレビ塔」と一宮市にある「ツインアーチ138」にブルーの明かりがともります。

 

ライトアップに伴うイベントも行われる予定で、障害をもつ子どもたちに総合的な支援を行う「アスペ・エルデの会」と、中京大学の大学生ボランティアが中心となって企画。4月2日(日)15:00から、久屋大通公園の「もちの木広場」で行われます。

 


|映画「ぼくと魔法の言葉たち」公開


©2016 A&E Television Networks, LLC. All Rights Reserved.

また、この日に合わせて自閉症の主人公と家族の日々を追ったヒューマンドキュメンタリー映画も公開されます。その名も「ぼくと魔法の言葉たち」。2日(日)はセンチュリーシネマ(名古屋PARCO東館8階)で特別上映会を開催し、8日(土)から同じくセンチュリーシネマで本公開となります。

 

主人公は、自閉症により2歳で言葉を失い、孤独な世界に閉じ込められた少年オーウェン。彼が家族の愛情とサポートのもと、大好きなディズニー・アニメーションを通じて少しずつ言葉を取り戻していった様子と、障害を抱えながらも底抜けに明るく、前向きに社会と向き合い、自立を勝ち取るまでの姿をユーモアたっぷりに、そして感動の涙とともに描く傑作ドキュメンタリーです。


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Life, Animated dogwoof documentary 17

 

オーウェンが発する意味をなさないモゴモゴとした言葉が、彼が毎日すり切れるほど見ていたディズニー・アニメーション『リトル・マーメイド』に登場するセリフであることに家族がある日気づきます。意を決した父が、オーウェンが大好きなディズニーキャラクターの“オウムのイアーゴ”になりきって語りかけると、まるで魔法のように、オーウェンが言葉を返したという実話に基づきます。

 

原作はオーウェンの父親が執筆した「ディズニー・セラピー 自閉症のわが子が教えてくれたこと」という1冊の本。劇中には、映画に感動したディズニー社から異例の使用許諾を受け、『リトル・マーメイド』『ピーターパン』『ライオンキング』などディズニー・アニメーションの名作たちが数多く登場しています。

2日(日)はセンチュリーシネマで、作家で自閉症のお子さんを育てる堀田あけみさんと、発達障害児者支援の専門家・中京大学教授の辻井正次さん、自閉症当事者によるトークイベントも予定されています。

詳細は、Facebookページの「世界自閉症啓発デーLIUB(Light It Up Blue)名古屋」で紹介されています。

普段はなかなか考えるきっかけがなかった人も、イベントへの参加や映画鑑賞を通じて、自閉症について知り、理解を深めてみましょう。

 


 

  • 映画について

【劇場】センチュリーシネマ

http://www.eigaya.com

【配給】トランスフォーマー

http://www.transformer.co.jp/m/bokutomahou/

【監督】ロジャー・ロス・ウィリアムズ(アカデミー賞®短篇ドキュメンタリー賞受賞作『Music by Prudence』)

【製作】ジュリー・ゴールドマン『アイ・ウェイウェイは謝らない』 /ロジャー・ロス・ウィリアムズ

【出演】オーウェン・サスカインド /ロン・サスカインド/コーネリア・サスカインド/ウォルト・サスカインド

2016年/アメリカ/英語/91分/ カラー/DCP/

原題:Life, Animated / 日本語字幕:松浦美奈

【後援・字幕監修】一般社団法人日本自閉症協会

文部科学省特別選定 一般非劇映画(青年&成人向き)

文部科学省選定 一般非劇映画(家庭向き)

厚生労働省 社会保障審議会 特別推薦 児童福祉文化財(対象:小学校高学年以上・家庭・一般)