今週末の4月16日(日)に長久手市の愛・地球博記念公園で行われる9回目の「パンマルシェ」。パン好きな人にはお馴染みのイベントかもしれません。そのイベント実行委員会が制作・販売するオシャレな〝エコ粉袋バッグ″「Re:sac」(リサック)を知っていますか? エコで心のこもったバッグの開発秘話を聞きました。
|使用済みの小麦粉袋を再利用
Re:sacに使われるのは、パン屋さんでたくさん使われる小麦粉専用の紙袋。製粉会社の企業ロゴのほかに、パン屋さんがこだわってデザインしているオリジナルロゴがプリントされています。内側に残った小麦粉をきれいに取り除き、分解洗浄。アイロンがけをした後、工業用ミシンで縫製します。一度使用されたものなので、シワがあったりシミがあったりしますが、それもこのRe:sacならでは。
「デザインはこれまでに4、5回変えて、ようやく今の形を実現できました。1斤分の食パンもスッポリと入るように配慮。取っ手はビニールで強度を増しています」と実行委員会代表の石臥博代さん。
強度がありゴワゴワした小麦粉袋は、費用を出して引き取ってもらっている店もあるほど、パン屋にとって「ちょっと厄介者」。「捨てるしかないという話をパン屋さんで聞き、よく見ると個性的でセンスあふれるデザインが多い袋を何とか活用できればと考えました」と石臥さん。デザイナーが型を起こして、一つ一つ手作り。試作17回目にしてバッグになり、3年前から少しずつ販売をしています。
|「好き」が誰かのためになる
石臥さんの実家は元々パン屋さん。パンに囲まれた生活を送ってきたことがきっかけになったそうです。学生時代はいろいろなパン屋でアルバイトをし、食べ歩く生活が続き、2008年ごろからブログでパン屋情報を発信。店舗プロデュースやweb関連の本業の傍ら、パン好きが集う同好会「お気楽パン会」の取りまとめも行っています。
「パンが売れ残るとそのまま捨てられてしまう。このもったいない現実を何とかできないかと、最初はパン自体を加工できないかと考えましが断念。試行錯誤で誕生したのがこのバッグです。パン屋さんにお願いして、粉をふき取った小麦粉袋を引き取り加工していますが、粉を取り除くのに手間がかかり、普及するまでにはまだまだ…(笑)。定期的に袋を譲ってくださる店は限られています」(石臥さん)
このRe:sacの活動を始めたのは、石臥さん自身の病気がきっかけだったそう。「5年前にがんを患い、自分の人生を見つめなおしました。復活したら人の役に立つことをしたい。パンが好きな私ならではの形はないかと、名古屋でパンマルシェを開催すること思いつきました。Re:sacは形になるまで時間が必要でしたが、持続できる社会貢献の形。継続していきたいですね」
|限定20個を16日に販売!
Re:sacは、1つ2,500円で販売され、売上の一部を国連WFP(World Food Programme、
国際連合世界食糧計画、飢餓貧困の撲滅を使命として活動する国際機関)へ寄付します。
絵柄は上の写真のようにさまざま。袋の幅は約40cm、深さ30cm、マチが14cm程度のワイドサイズ。人気の絵柄は、三重県菰野町の「アクアイグニス」にある「マリアージュ ドゥ ファリーヌ」のトートだそう。「オーナーパティシエの辻口博啓さんが袋の提供を申し出てくださり実現しました。ほかの絵柄も個性的でカワイイですよ」(石臥さん)
パンマルシェ当日は20個を限定販売。インターネットでの購入受付は「ただいま準備中です!」とのこと。
東海3県をはじめ、全国から選りすぐりのパンが結集する「パンマルシェ」。お気に入りのパンをRe:sacに入れて会場を散策してみてはいかが?
※Re:sacは、目視レベルで小麦粉は付着していませんが、ご本人または家族の中に小麦アレルギーがある方は使用をお控えいただくか、注意してご使用ください。
●写真・取材協力/パンマルシェ実行委員会
【イベント詳細】
・日時/4月16日(日) 10:00~16:00〈売り切れ次第終了〉
・会場/愛・地球博記念公園 地球市民交流センター(長久手市茨ヶ廻間乙1533-1)
・入場料/無料(一部有料)
・出店数:55(2017.4.13現在)
毎回人気のコーナー『ちびっこラボ~パンのスタンプで遊ぼう!オリジナルハンカチ作り』パンマルシェオリジナルパンなどを販売する『当日限定ショップ』など企画イベントあり。