愛知県初GI登録、「西尾の抹茶」

新茶が出回る季節。もう新茶を飲まれましたか?お茶はお茶でも、「西尾の抹茶」に着目。ことし3月、農林水産省において「地理的表示保護制度(GI:ジーアイ)」に登録されました。西尾市に誕生した抹茶ミュージアム情報と合わせてご紹介します。


産地と結びついている特産品を国が保護


写真提供/西尾市観光協会(稲荷山茶園公園より)

GI(英語:Geographical Indication)は、産地と製法、品質、食文化が結びついた特産品について、その地理的表示と知的財産を国が保護するという制度。野菜や魚、肉などの農林水産物については農林水産省が、酒類については国税庁が主管となっています。農産物としては「西尾の抹茶」以外に、「特産松阪牛」や「夕張メロン」、「下関ふく」など35種、酒類では山梨県のワインや球磨(熊本県、焼酎)などが登録されています。

基準を満たした農産物については、地理的表示を名称として使用することができる他、下のようなマークを表示することができます。中身を偽った商品において不正利用されることがないよう関係省庁では監視強化にも力をいれています。

 

 

出典:農林水産省HPより

 

 

国内では制度が始まって2年ほどと日が浅いため、ピンとこない人も多いかもしれませんが、例えば、

フランス・ブルゴーニュ産ワイン

イタリア・パロマ産プロシュート(生ハム)

と聞けば、有名な産地のものだから間違いないと思って購入をしようと思うことはありませんか?

GI制度により、消費者はホンモノを選びやすくなり、製造業者や関係者にとっては売り上げを伸ばすきっかけに。この制度は世界100カ国以上で広まっており、輸出量を増やし日本食ブームとともに飛躍する可能性を秘めているというわけです。


抹茶の魅力を再発見「和く和く」

西尾市にある抹茶の老舗メーカー「あいや」さんではこの春、あいや西尾の抹茶ミュージアム「和く和く」をオープン。抹茶の製造工程の見学やまざまな抹茶に関する体験を通じて、抹茶の魅力を再発見してほしいと、本店の敷地内につくられました。

 

抹茶製造工程の見学

モニター映像や抹茶製造の様子を窓越しに見学でき、茶畑の生葉から抹茶ができるまでの工程を知ることができます。

 

茶畑の黒い覆い

抹茶の原料茶葉をつくる際に必要な黒い覆い。その下はどのくらい暗いかを体験できます。4月中旬に茶畑全体が覆われ、直射日光を遮ることで、茶葉はうまみ成分を蓄えることができるそう。

 

茶匠の「官能審査」体験

どのようにして茶葉の等級(品質)が決まるのかを、実際に茶匠が行うのと同じように体験。茶葉のブレンドや茶臼びき体験と並んで見学者に人気です。

 

45分、60分、75分(6人まで)、90分(21人以上40人まで)といくつか見学コースがありますが、茶臼びき体験、プチ茶道体験など思う存分抹茶の世界を体験できるのは75分コースのみ。3カ月先まで見学の予約はいっぱいだそうですが、抹茶の魅力を改めて知る意味でぜひ訪れてたい施設ですね。

「抹茶は日本の伝統文化であり、味もよく、健康的にも茶の成分をあますところなく摂取できる魔法のような粉です。スイーツなどでもおなじみの抹茶味ですが、ぜひ本物の抹茶味を知っていただきたい。高級な抹茶は、苦み、しぶみがなく、旨みとコクをたっぷり味わうことができます。それは、老舗でなければ味わえない抹茶味。ご来館をお待ちしております」とあいや広報の本多さん。

 

6月からは新茶もお目見え。今年は西尾まで足を運んで抹茶をたしなんでみてはいかがですか。

 

 


■取材協力/あいや

西尾市上町横町屋敷15

0563-77-6572(「和く和く」予約ダイヤル、受付時間 9:30~17:00)

【和く和くに関する情報】

https://www.matcha.co.jp/factory/

見学はすべて無料、2カ月先までの予約をホームページまたは電話で受け付け。

 


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